受講生の声(社会人)

本質的な経営メカニズムを読み解く 梅井祐一さん(2014年度入学)

なぜHMBAに進学されたのでしょうか

経営に関する横断的な知識と深い思考力を身につけるためにHMBAに進学しました。

私は本学の法学部を卒業後、不動産系の企業で6年間働いていました。会社を辞めてMBAに進もうと考えたきっかけは、不動産バブルの崩壊による会社・業界全体の低迷と、学部時代の個人的な体験からです。会社の業績が低迷していた際に、私の関心は専門家としての経験を積むことよりも、企業経営の方へ移りつつありました。しかし、「経営陣にアドバイスを求められたら何と答えるか?」「最初に打つべき手は何か?」といった自問をいくら繰り返しても、当時の私には具体的な答えを出すことができず、大変歯痒く感じました。個人的な体験というのは、学部時代に受講した経営戦略論が極めて面白かったことです。企業の経営あるいは戦略についてもっと知りたい、という欲求は、この頃から心の隅にあったのかもしれません。これらの理由から、私はMBAに進もうと決心しました。

HMBAのカリキュラムは基本的なMBA科目の学習のみならず深いレベルでの論理的思考力を養うことを一つの到達目標にしています。私は「考えるとはどういうことか」という根本的な部分からしっかりと鍛えたいと考えていたため、MBAへの進学が最適だと思い至りました。

入学後はどのようなことを学んできましたか

1年目は夏学期にコア科目を集中的に履修し、冬学期に関心のある分野の選択系科目を中心に履修しました。2年目は主にワークショップ・レポートの作成を進めています。

1年目の夏学期は古典講読、経営戦略、財務会計、ビジネス・エコノミクス、企業データ分析を履修しました。この中でも最も特徴的な科目が古典講読で、経営学やそれに関連する古典を読み、内容に関する要旨を書き、クラスで議論を行います。特に「書く」ことは理解の浅さや論理の甘さを浮き彫りにするため、この授業を通じて自らの思考力の修正と向上を図ることができます。私の所属したクラスではダグラス・ノース『制度、制度変化、経済成果』、ロナルド・コース『企業の本質』、トーマス・クーン『科学革命の構造』を読みました。

夏休みには、大学のOB組織が主催する「カンボジア情熱ビジネスツアー」に参加しました。現地企業へのインターンと現地学生と協同でのビジネスプラン・コンペティションを通じて、新興国でのビジネスについて深く知ることができました。

冬学期には、戦略分析、戦略的経営者論、経営組織、企業財務、人材マネジメント、企業評価分析、金融ビジネス、ビジネス・エコノミクスを履修しました。冬学期には学生の興味・関心に対応した様々な選択科目が開講されます。

1年次を振り返ると、自習室、図書館、グループワーク室、自宅をローテーションしながら、毎日大学の施設にいました。もちろん楽なものではなかったものの、様々なバックグラウンドを持つ同級生と互いに高め合いながら、何とか走り抜けました。

2年生になった現在は財務・会計ワークショップに所属し、最終レポートの作成を進めています。講義はM&Aの理論と実務、理論構築の方法という2科目を履修しています。

HMBAのプログラムを通じて、自分がどのように変わったと思いますか

最も変わったと感じるところは、現象の表層だけを捉えるのではなく背後のメカニズムについても読み解こうとする姿勢が身についたことです。これは、HMBAプログラムの特徴的なプログラムによるものだと考えています。

HMBAは、標準的なMBAプログラムを中心としつつ、「社会科学的な見方の重視」、「歴史・古典・哲学の重視」、「理論と現実の往復運動とそのための議論と対話の重視」という3つの特徴を有しています。これは、日本の現実を踏まえた本質的な分析・提言・実行をおこなえる人材を育てたい、という設立時からの理念に基づくものです。

このようなプログラムを通じた学習の中で、現象の捉え方が変わってきたと感じています。例えば、ある会社が非合理的な行動をとっている場合、その行動を反射的に非難するのではなく、なぜその行動がその企業にとって合理的な行動となりえたのか、そのような意思決定が行われる背景にはどのような要因があったのか、といったことを考えてみるようになりました。本質的に解決すべき問題は、表層に現れた具体的な行動とその結果ではなく、背後で行動に作用している真因であるはずだからです。

現時点で、どのようなキャリアプランを描いていますか

梅井祐一さん

戦略・財務の面で企業経営を支えられるような人間になりたいと考えています。私自身は経営者タイプではないものの、経営者と共に経営課題を考え、共にリスクテイクをし、経営者の夢の実現に貢献することを目指しています。

また、将来的には、企業での実務や政策立案などを通じて何らかの形で地方経済・ローカルビジネスの発展に携わり、わずかでも日本を良くしたいと考えています。まだまだ力不足ではあるものの、HMBAで学んだことを活かし、今後も研鑽を続けていきたいと思っています。

(2015年7月26日)

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